ジャムピクシーは超激安ファッションショップですが、今のまま事業展開は困難でしょう。ジャムピクシーの今後のブランド展開について考えてみます。
ジャムピクシーは、カジュアル衣料を中心にした安売りが話題のファッションショップのチェーン店です。株式会社サウザーが展開しています。ジャムピクシーを展開する株式会社サウザーは1969年に設立された協業組合いぶすきを前身としており、もともとショッピングセンターの設立運営会社でした。1998年に衣料メーカーに業態変更をした異例の会社です。ジャムピクシーは、流行のファッションをお菓子を買う様に気軽な感覚で買えるお店、をコンセプトにしており、ファッション業界の100円ショップと言ったように、大胆な発想で話題になっています。ジャムピクシーは全国展開に積極的で、現在は80店舗を展開しています。
これほどまでの低価格の商品を扱っていると言う事は、仕入れは当然メーカーの在庫処分品や、見切り品、訳あり品など、いわゆるバッタ仕入れに依存するわけですが、ここまで徹底すれば、それはそれなりに消費者から支持されるということです。ジャムピクシーの商品は、基本的に安い値段の割にはしっかりした商品が多く、バイヤーの腕が良いことや仕入れの独自ルートと現金支払いで、破格の安い値段で仕入れている事は、販売価格を見れば明らかですが、さらなる多店舗展開したときの仕入れの確保が今後の課題になっていくでしょう。現在のジャムピクシーが取扱う商品は、激安価格に比べて驚くほど品質がいいものを揃えていますが、いずれ仕入れの限界がくることは明らかです。ジャムピクシーもそれに備えてか独自ブランドを提供し始めていますが、販売価格を調整する必要性はいずれ生じてきます。その時にどういう戦略を立てるかが問題となるでしょう。
ジャムピクシーが店舗展開を多くすればするほど、ジャムピクシー独自ブランドの確立は急務ですが、今までどおりの激安を志向すれば、ユニクロなどが行っている手法を取り入れて、思い切ってファッションアイテムを絞込み、海外での生産依存を図る必要があるでしょう。さらに、ターゲットとする年代層を幅広くしファミリー向けのショップになる必要もあるでしょう。しかし、このような業態変化はかなり難しく、すでにある販売実績をスポイルする事になります。ジャムピクシーがリスクをとらず安全な業態変更を行なうのであれば、別のブランドや派生のブランドを作ることが重要になります。現在もWanna Be AEやCueCueなどのブランドを展開していますが、ジャムピクシーと明確な差別化ができているとは言い難く、更なるブランド展開が求められるでしょう。ジャムピクシーが今後どのように展開し、変化していくかは興味深いところです。